【別居後①】離婚したい夫から内容証明

離婚準備

ダンナに離婚宣告され、昼逃げされた派遣主婦のうさ子(49)です。

夫は家を出てから、時折昼間に戻っては通帳やパスポート等を持って行っていたようです。しかし防衛策と蓄えのおかげでたちまち生活に困るというほどではなく、私と娘は気楽に快適に日々を過ごしておりました。ところが、いつまでものんきにしてはいられませんでした。来たんですよ。アレが。。。

それは、弁護士からの内容証明郵便です。(※内容証明郵便とは「日時・差出人・宛先・内容を日本郵便が証明してくれる」郵便物です。)

さすがにこれには動揺します。

ちなみに内容正証明は本人でなくては受取ができないので、まず不在届がポストに届いていました。それを見て、まずドキリとする。再配達の依頼をして手元に届くまで、頭の中をいろんな考えが浮かびます。何が書かれているのだろうか。激しい罵詈雑言だったら辛い…。夜もなかなか寝られず、食欲も落ちます。受け取ってさえいないのにここですでにけっこうなダメージです。

3日後に再配達してもらい、配達員さんか受け取ってからその封を切る手の震えが止まりません。嫌な汗もかきます。動悸もします。

内容証明の中身は「離婚の条件」だった

弁護士さんらしい淡々とした、極めて事務的な文章で書かれたその内容は夫からの離婚の条件でした。夫は私との直接の話し合いを避け、交渉を弁護士さんに依頼したようです。

確かに私たち夫婦はもはや対話が成立しない状態にきていました。私の立場から言わせてもらうと、夫が何を言っているのかよくわかならないし、私が話したいことも伝わらない。直ぐに大声をあげるし、話の論点をずらす。この数年、いや十数年、夫婦の話し合いなどやったところで時間の無駄でした。そういう意味では、「何とか離婚の話し合いをしたい」という目的で夫が取った策はベストでしょう。自分だけの力では思うようには事は動かないという判断は賢明といえます。よくよく考えれば、私にとっても夫に直接条件を提示するより、よっぽど話の通じる相手と建設的で合理的な話し合いができると、むしろこれは悪い話ではないような気にさえなってきました。

内容証明の全文公開

ご連絡

うさ子様

〒住所 ○○法律事務所 弁護士 井上 勇(仮名) 電話番号

前略、当職は夫殿(以下「委任者」という)の代理人となりましたので、通知いたします。夫殿は、貴殿との間の婚姻関係の解消を希望しております。(実際には「うさ子」「夫」「長女」「次女」の部分には実名記載)離婚に際し、財産分与、婚姻費用分担および養育費について、以下の通り提案いたします。

1. 自宅不動産

自宅不動産については、次女殿が高校を卒業する令和7年3月末までは委任者が住宅ローンを支払い、貴殿長女殿及び次女殿に住み続けていただく考えです。 令和7年4月以降は貴殿らに退去いただき、自宅不動産を処分し、売却代金からローン債務 を返済し、なお残額が生じた場合は財産分与として貴殿と折半したく存じます。

2. 預金・退職金

預金について、委任者が把握しているものは以下の通りです。婚姻前の預金は特有財産として控除することとなりますが、委任者及び貴殿いずれの預金についても婚姻前の金額が不明のため、当方の把握している現時点での残額を全て共有財産とし財産分与の対象とすることを提案いたします。

(1) 委任者預金

○○銀行△△支店 普通 999999× 令和4年5月2日時点残額 ¥×××××××

××銀行 支店名・口座番号不明 令和4年4月27日時点残額 ¥○○○○○    合計 ¥△△△△△△

(2) 貴殿預金

○×銀行 ○×支店 普通333333× 令和4年5月6日時点 残額 ¥××××××

△○銀行△○支店 定期 222222× 令和元年6月21日時点 残額¥○○○○○○ 合計 ¥○○○○○○

(3) 委任者退職金 委任者退職金規程によると、 委任者が現時点で退職した場合の退職金は約○円です。

(4) 預金・退職金に関する財産分与の計算

ア. 委任者預金・退職金合計 ○○円

イ. 貴殿預金 合計××円 

ウ.退職金に関する共有財産合計 △△△円 (ウ=ア+イ)

エ. 財産分与清算方法 (ウ÷2ーア=○○○○○円)

貴殿が委任者に対し、 ○○○○○円を支払う。

(5) 早期解決のための提案

以上を前提に、早期離婚解決が可能であれば、委任者から貴殿に対する財産分与の支払いを求めないことでの解決を提案いたします。

 

 3. 婚姻費用

委任者の年収は約○○○万円、貴殿の年収は約×××万円とうかがっております。したがいまして、被扶養者2名とした婚姻費用は月額○万円となります。

委任者は子供たちの学資保険料として月額△万円を払っておりますので、これとは別にお支払いする婚姻費用は最終的に月額○万円となります。別居を開始した令和4年6月分から支払います。

  1. 養育費

被扶養者2名とした養育費は月額1×万円、 1名とした養育費は月額○万円です。

学資保険料を引いた支払額について、 長女殿が卒業する令和5年3月分までは月額○万円 以降次女殿が大学を卒業すると見込まれる令和11年3月分まで月額▲円 となります。

以上の条件での離婚をご検討いただきますようお願い申し上げます。

ご検討いただき令和4年7月15日までに当職あてにご回答いただきますようお願い申し上げます。

やっぱりなんも知らねえな

夫は私と娘の留守中に置いてある通帳の残高を確認していった模様です。おそらく弁護士さんに教えを乞うたのでしょう。自らこのような小賢しいことができる男ではありません。しかし、本当にしまった失敗した。自分のも夫のものも、通帳をすぐわかるところに放置していたのは痛恨のミスでした。

それにしても夫はやっぱり家計の事は何もわかっていないのがまるわかりでした。誤って認識していることだらけで、どこから突っ込んでいいかわからないほどです。

まとめ

離婚したい夫が、弁護士に依頼して送ってきた内容証明は以上の通りです。ご覧の通り、感情というものが一切入っていない事務的なものなので、モラハラ気質の夫から上から目線でものを言われるよりはマシなもので、思っていたより落ち込まずにすみ、正直受け取ってからより受け取るまで、の方が滅入りました。

人生で内容証明郵便を受け取ることは早々何度もありませんが、「いつか離婚を」、と目論んでる妻ズのみなさんには近い(?)将来、これに関わる覚悟がいるかもしれません。その時のご参考になれば幸いです。

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